こんにちは。「かえテク!」管理人の定時デカエルです。
皆さんは、ChatGPTやGeminiを使っていて、こんな状態に陥ったことはありませんか?
「違う、そうじゃない」
「さっきと言ってることが矛盾してる」
「指示を重ねるごとに、どんどんポンコツになっていく……」
修正指示を出せば出すほど、AIが混乱して泥沼化するあの現象。そして私たちは深い徒労感とともに、ブラウザの「+」ボタンを押し、「新しいチャット」を開始します。
でもこれ、ゲームで例えるなら「ダンジョンの地下99階で倒れて、装備も経験値もすべて失ってLv1からやり直し」ですよね。
仕事は「不思議のダンジョン」のようなローグライク(死にゲー)であってはいけません。私たちは定時で帰るために、「強くてニューゲーム」を選ぶべきなんです。
今回は、会話が破綻したAIに「最期の仕事(遺言)」をさせ、その経験値を次のAIに継承させて最強の状態でリスタートする、とっておきのテクニックを紹介します。
名付けて、システム「俺の屍を越えてゆけ」です。
AIチャットのリセットは「社員の退職」と同じ
かつて私が「定時デカエレヌ」だった頃、うまくいかない書類作成に行き詰まると、その紙をシュレッダーにかけて「ゼロから書き直し!」なんてことをやっていました。これ、時間の無駄以外の何物でもありません。
AIとの対話も同じです。そこまでのやり取りには「何がうまくいかなかったのか」「私の意図は何だったのか」という膨大なコンテキスト(文脈)が含まれています。
無言でチャットを閉じるのは、担当社員が引き継ぎ資料も残さずに突然バックレるようなもの。次の担当者(新しいチャットのAI)は、またゼロからあなたの好みを学習しなければなりません。
「引き継ぎ書」を作らせてから成仏させる
ではどうするか。泥沼化したAIを見捨てる前に、こう命令するのです。
「ここまでの失敗と、私の本当の要望をまとめて、次の担当者に渡す『引き継ぎ書』を書け」と。
これにより、次のAI(子孫)は、前のAI(親)の屍を越えて、最初から「あなたの意図を理解した状態」でスタートできます。まさに一族の悲願を達成するための世代交代です。
※ちなみに、AIとの対話における基本的な考え方(発散と集中)については、こちらの記事も参考にしてください。
ChatGPTの使い方に革命を。「発散と集中」でAIを相棒にするコツ【定時退社テク】
実践!2段階の「ふっかつのじゅもん」
それでは、具体的なプロンプトを紹介します。この2つの呪文をコピペして使ってみてください。Ctrl + C の準備はいいですか?
STEP 1:去り際のプロンプト(今のAIに投げる)
まずは、話が噛み合わなくなった「今のチャット」の最後に、以下のプロンプトを投げます。これが彼らの最期の仕事です。
もう新しいチャットでやり直します。
これまでのやり取りを踏まえて、
・私が本当に求めているゴール
・やってほしくないこと(NG事項)
・重要な前提条件
を整理して、次のAIに渡すためのプロンプトを書いてください。
※あなたが文脈から補った「推測」がある場合は、事実と区別して「推測」と明記してください。
これを投げると、AIはけなげにも「承知いたしました…」と、自分たちのやり取りを要約した完璧なプロンプトを作成してくれます。
STEP 2:開始のプロンプト(新しいAIに投げる)
次に、「新しいチャット」を開き、STEP 1で出力された内容を貼り付けるのですが……ここで一つ罠があります。
失敗したAIは、そもそも「思い込み」や「勘違い」をしていたから失敗した可能性があります。その勘違いが引き継ぎ書に含まれていると、次のAIも同じ沼にハマる危険性があります。
そこで、新しいAIには「監査」を行わせます。
前のAIとの会話がうまくいかなかったので、そのAIに要件をまとめさせました。
以下がそのプロンプトですが、前のAIの誤解やバイアスが含まれている可能性があります。
内容を批判的に読み込み、矛盾点や曖昧な点があれば指摘した上で、タスクを実行してください。
(ここにSTEP1の出力を貼り付け)
この「批判的に読み込み(Critically review)」という指示がキモです。これにより、新しいAIは「あ、前の担当者はここを勘違いしていたんですね。では修正して進めます」と、クールに対応してくれます。
なお、プロンプトの精度をさらに高めたい場合は、以前紹介したマークダウン記法を活用すると、AIへの伝わりやすさが格段に上がりますよ。
【中級者向け】生成AIの精度が上がる「マークダウン記法」の使い方と賢い使い分け
なぜ「監査」が必要なのか?:AIハルシネーション対策
なぜSTEP 2でわざわざ「前のAIを疑え」と指示するのか。
それは、生成AI特有の「ハルシネーション(もっともらしい嘘)」や「バイアス」のリスクがあるからです。特に会話が長引いたAIは、初期の指示を忘れて独自の解釈を暴走させていることがよくあります。
PDF読み込みの記事でも触れましたが、AIは万能ではありません。「前の担当者が作った資料だから正しいはず」という官僚的な思考停止は、AI相手でも禁物です。
ChatGPTでPDFが文字化け・読み込まない原因は?スクショ1枚で解決する裏技
「前のAIの遺言」をベースにしつつ、新しいAIの冷静な目でチェックさせる。このダブルチェック体制こそが、業務フロー構築のプロである私の「かえテク」流儀です。
まとめ:屍を越えて定時へ帰ろう
AIチャットが破綻したときは、イライラしてウィンドウを閉じる前に、一呼吸置いてください。
「ちゃんと引き継ぎ資料作ってから辞めろ」
そう指示を出すだけで、あなたの失われた時間は「未来への投資」に変わります。失敗したAIの屍を越えて、最強の回答を手に入れ、サクッと定時退社をキメましょう。
それでは、また次回の記事で。カエルの帽子を被ってお待ちしています。


