
今回の記事は高級キーボードとして人気の東プレのREALFORCE(リアルフォース)シリーズとPFUのHHKB(Happy Hacking Keyboard)シリーズについて代表的なモデルの比較をしていきたいと思います。
高いキーボードを使うと何が変わるかというと、実は業務効率が大きく変わります。
キーマップ変更は操作性を大きく向上させますし、コンパクトなキーボードを使うとマウスとの距離が近くなり、スピーディな操作が可能になります。
しかし高い買い物になりますので、しっかり検討することをおすすめします。
私は職場ではREALFORCE R3Sの30g、自宅ではHHKB Professional HYBRID Type-Sの日本語配列を使っています。英語配列ではなく日本語配列を選んでいる理由は、日本語配列のほうがキー数が多く、キーマップ変更の幅が広がるからです。
そのため今回は日本語配列の比較になります。
REALFORCEシリーズとHHKBシリーズはどちらも素晴らしいキーボードで、基本的にはどちらを買っても後悔することは少ないと思います。
ただ各モデルで微妙に違いがあります。
基本的な違いは既に調べている方が多いと思うので、この記事でモデルごとの微妙な違いをお伝えして、どのモデルを買うかの判断材料になればと思います。
なお、今回比較するのは以下の機種です。
- REALFORCE R3(および有線モデルのR3S)
- REALFORCE RC1
- HHKB Professional HYBRID Type-S
- HHKB Sutdio
仕様の比較
簡単な仕様の違いをまとめておきます。
上の3つがREALFORCEシリーズ、下の2つがHHKBシリーズです。
機種名 | サイズ(幅×奥行×高さ) | 重量 | キー数 | テンキー | キー方式 |
---|---|---|---|---|---|
REALFORCE R3/R3S フルサイズ | 約455×142×38mm | 約1,400g | 112 | あり | 静電容量無接点 |
REALFORCE R3/R3S テンキーレス | 約369×142×38mm | 約1,100g | 91 | なし | 静電容量無接点 |
REALFORCE RC1 | 295×130×39mm | 約600g | 82 | なし | 静電容量無接点 |
HHKB Professional HYBRID Type-S | 294×120×40mm | 約550g | 69 | なし | 静電容量無接点 |
HHKB Studio | 308×132×41mm | 約830g | 72 | なし | メカニカル |
当然、キー数が多くなるとサイズが大きくなり、重量も重くなります。またREALFORCE R3S以外はすべてBluetooth接続に対応しています。
デスクサイズやキーボードを持ち運ぶことがあるかによって、ある程度機種を絞るとよいと思います。
また、どの機種もキーマップ変更に対応しており、変更内容がキーボード本体に保存されるため、パソコンをつなぎ変えても同じキーマップが使用できるので便利です。
ファンクションキー(F1~F12)やテンキーの有無

まず、どうしても独立したファンクションキー(F1~F12)が欲しい方はREALFORCEシリーズから選択するようにしましょう。
HHKBシリーズはいずれもファンクションキーはFnキーを押しながら数字キーを押す必要があります。
しかし、それで意外と困らないので、この点はあまり重視しなくてよいと思います。
F2やF4などかなり高頻度で使うファンクションキーもありますが、Fnキーを押しながら数字を押す方が早いです。
また、独立したテンキーが欲しい方もREALFORCEシリーズから選択する必要がありますが、こちらも無くても困らないと思います。
テンキーによりキーボードとマウスに距離ができてしまうというデメリットの方が、はるかに大きいです。
テンキーが欲しい場合はキーマップ変更で疑似的にテンキーのように設定することができますし、どうしてもテンキーが欲しい場合は、外付けテンキーを買うことをお勧めします。
HHKBシリーズはこれらのキーを省くことにより、デザインがとてもすっきりした印象になっています。
独立したテンキーやファンクションキー(F1~F12)やテンキーが不要で、すっきりしたデザインが好みの方は、HHKBシリーズがおすすめと言えます。
キーの押下圧

ここは割と重要なポイントだと思います。
キーボードを押したときの重さを押下圧といい、押下圧はキーボードによりそれぞれ異なる重さが設定されています。
HHKBは押下圧が45gで統一されていますが、REALFORCEは30g、45g、変荷重(基本は45gで特定のキーのみ押下圧を変えているタイプ)の3タイプあります。
その中でREALFORCEシリーズの30gはかなり軽いです。
もしキーボードを長時間使っていると指が疲れやすい、痛みを感じるなどで困っている人は30gをおすすめします。
私も長時間タイピング作業をすると疲れやすいため、会社ではREALFORCEの30gを使用しています。
「30gは軽すぎて誤入力が増えそう」と思う人も多いと思います。私もそこは気になり、最初のうちは多少誤入力もありましたが、2週間程度で慣れ全く問題なく使えるようになりました。
そのため通常の押下圧だと疲れやすい方や、特に軽いキータッチが好みの方には、押下圧30gのREALFORCEシリーズがおすすめだと言えます。
最下段のキーの数が違う
これは特にキーマップ変更をする方には重要なポイントです。
キーマップ自体の変更機能はどの機種にも用意されていますが、カスタマイズでよく使うキーをどこに割り当てるかは重要です。特に親指で自然に押せる位置に多くのキーが配置されていると、カスタマイズ後の操作性が大きく向上します。たとえば、修飾キー(Ctrl、Shift、Alt、Fnなど)を親指に割り当てると、効率よく操作できます。
また、最下段端のキーは小指の付け根で押すとホームポジションを崩さずに押せるなど、特殊な押し方もあります。
キーマップ変更を前提とする場合、こういった押し方も含め、押しやすい部分にどれだけキーがあるかでキーボードの操作性が変わりますので、キーマップ変更をして使う予定の人は特にチェックするようにしましょう。
次の表が機種ごとの最下段のキーの数です。
機種名 | スペースキーの左 | スペースキーの右 | スペースキーの下 |
---|---|---|---|
REALFORCE R3 /R3S | 4 | 5 | なし |
REALFORCE RC1 | 5 | 3 | なし |
HHKB Professional HYBRID Type-S | 5 | 4 | なし |
HHKB Studio | 5 | 4 | 3(マウスボタン) |
同じREALFORCEシリーズやHHKBシリーズの中でも微妙に違うので、実際のキー配置をよく見て、自分がどんなキーマッピングをしたいのかを考えて、機種を選定するようにしましょう。
ちなみに一番下のHHKB Sutdioはこの中でもかなり特殊で、キーマップが他の機種は2種類(通常マップ、Fnキー同時押しマップ)なのに対し、HHKB Sutdioは4種類あり、マップ変更の自由度が一番高いです。
またキーボードの中心にポインティングスティックもあるため、ホームポジションを崩さずマウス操作をすることができます。
キーマップ変更に特にこだわりたいという方にはHHKB Sutdioがおすすめと言えます。
ただHHKB Sutdioだけこの中でメカニカル方式である点は注意です。また金額面でも最も高価なモデルです。
まとめ
今回の記事では、高級キーボードとして人気の REALFORCE(リアルフォース) シリーズと HHKB(Happy Hacking Keyboard) シリーズを、実際に使っている筆者の視点から徹底比較しました。
どちらも非常に完成度が高く、快適なタイピングと業務効率化を提供してくれます。結論としては、以下のようなポイントで選ぶと良いでしょう。
- デスクサイズや持ち運ぶかどうか
- テンキーや独立したファンクションキーが必要か
- 軽い打鍵感や疲れにくさを重視するか
- 理想とするキーマップが実現できそうか
どのモデルを選んでも後悔の少ない製品ではありますが、自分の用途・作業スタイルに合ったキーボード選びが重要です。今回の比較が、REALFORCEシリーズとHHKBシリーズの中で、迷っている方の参考になれば幸いです。