『廊下で転ぶと、鼻血が出て、人生で転ぶと、涙が出るんだ』
こんにちは。人生で転んだことはこういう青春が送れなかったことです。定時デカエルです。
今回はキーボード界の虎と竜、その手乗りタイガーのほう。コンパクトな静電容量無接点キーボード「HHKB(ハッピーハッキングキーボード) Professional HYBRID Type-S」の実機レビューをお届けします。発売から時間が経った今も現役の最新ラインナップとして愛用者が多く、デカエルも日々お世話になっている一台です。

HHKB(ハッピーハッキングキーボード)というと「プログラマーが使うキーボード」というイメージを持っている人も多いと思います。でも今日紹介したいのは、経理でも営業でも事務でもなんでもいい、「普通のサラリーマン」がこれを使うとどうなるか、というリアルな話です。結論から言うと、仕事の効率とテンションを底上げしてくれる、最高の相棒になります。この記事を読んだらきっとあなたも「HHKBを使わざるを得ない」という気持ちになると思います。
💡 ポイント:HHKBは「専門職の道具」じゃない
HHKBが評価されているのは「プログラミングに向いているから」ではなく、「長時間タイピングする人全員にとって疲れにくく、壊れにくく、持ち運びやすいから」です。文字を打つ仕事をしている人であれば、業種を問わず恩恵を受けられます。
まずは基本スペックをさらっとおさらいです。
- 静電容量無接点方式(打鍵感・耐久性に優れる高級機構)
- 60%キーボードのコンパクトで軽量なボディ
- Bluetooth接続と有線(USB)接続の両対応
- 充電式ではなく単三電池2本で駆動
- 自由なキーマップ変更が可能で、設定は本体に保存(オンボードメモリ)
- 日本語配列(JIS)と英語配列(US)が選べる
キーボード界のもう一方の雄、竜のREALFORCEとの違いが気になる人は、こちらの比較記事も参考にしてみてください。
HHKB HYBRID Type-S 実機レビュー!デカエルが推す4つの理由
① 会社で使える静音性。「うるさい」という噂は本当か?
HHKBについて検索すると、「うるさいうるさいうるさい」というワードがサジェストに出てきて不安になった人もいるかもしれません。でも、実際に会社で毎日使っているデカエルの体感では、全く問題ないレベルで静かです。
最近は打鍵音界隈でRainy75のような「コトコト系」と呼ばれるキーボードが人気です。あれはあれで楽器を鳴らしているような気持ちよさがあってデカエルも好きなのですが、「会社で使えるか?」と聞かれると音の主張が強すぎるので、ちょっと厳しいと感じます。金属筐体で2kg近い重量のモデルも多く、持ち運びにも向きません。
一方でHHKBは静電容量無接点方式ならではの「スコスコ」という音。完全な無音ではありませんが、そもそも会社支給キーボードも無音ではないし、実際に会社で使っていて「音が気になる」と指摘されたことは一度もありません。むしろ適度にタイピングしている感があって、仕事のリズムを作ってくれる心地よさがあります。
🐸 デカエル的補足
「静か=無音」ではありません。HHKBは適度な打鍵フィードバック音がありつつ、周囲に響きにくい音質にチューニングされている、というのが正確な表現です。オフィスで思わぬ「うるさいうるさいうるさい」を避けたい人には、この絶妙な静かさがおすすめです。
② 「持ち運び」のしやすさは女子でも余裕なレベル
個人的にHHKBの一番良いところは、実はここだと思っています。有線モードなら本体はなんと約550g。タブレットとほぼ同じ重さです。手乗りタイガーとまでは言いませんが、片手でひょいと持てるレベルの軽さとコンパクトさです。
実際、リアルで出張中の女子のカバンからHHKBがはみ出ているのを見たときは「こんなこと起こってる平行世界があるんじゃない!?」とテンション上がりました。

もし人生が5回くらいあったとしてもこんな展開ないと思いますが、出張中にHHKBがはみ出ている女子を実際に見かけたのはガチの実話で、女性でも余裕で持ち歩けるコンパクトさなんだと、あらためて感心した出来事でした。
キーボードって、気に入ると「携帯性」が想像以上に重要なパラメーターになります。特にノートパソコンユーザーや、自席・会議室・出張先・自宅など複数の場所で仕事をする人にとっては、どこにでも連れて行けるかどうかが快適さを大きく左右します。
ちなみに軽量性最優先で「有線モードだけで十分」という人には、有線接続限定のかわりに少しだけ価格が抑えられている「HHKB Professional Classic Type-S」がおすすめです。
③変わらない打鍵感と、あえての「乾電池」駆動
会社支給のキーボードって、なかなか壊れませんよね。でも実はあれ、長年使っていると中のゴムが硬化してキーが重くなり、「壊れていないけど劣化している」状態になっていることが多いんです。気づかないうちに指への負担が増え、夕方の手の疲れに繋がっています。
HHKBは「静電容量無接点方式」を採用しているため物理的な摩耗が少なく、何年使っても「スコスコ」とした打鍵感がほとんど変わりません。押下圧も45gで会社支給品よりはるかに軽いので指への負担も少ないです。
そして、個人的に非常に合理的だなと思うのが「単三電池駆動」である点です。今の時代、この価格帯のデバイスならUSB充電式(内蔵バッテリー)が主流ですが、これには明確な理由があります。
💡 ポイント:なぜ内蔵バッテリーじゃないのか?
内蔵バッテリーはスマホと同じで、数年使えば必ず寿命(劣化)が来ます。HHKBは本体の耐久性が非常に高いため、「バッテリーが死んだからキーボードごと買い替える」という事態を防ぐために、あえて交換可能な乾電池を採用しているんです。
エネループなどの充電池を2本用意して使い回せば、ランニングコストも手間も気になりません。高価なキーボードである分、長く使い続けることを前提とした、とても理にかなった設計だと思います。
④ 会社PCでも設定が活きる「オンボードメモリ」
コンパクトさと引き換えに、HHKBはテンキーはもちろん、独立したHomeキーやDeleteキーすら持たない「ツン状態」からスタートします。最初は「あれ、このキーどこ行った?」と戸惑うはずです。
でも安心してください。ここからキーマップを自分好みに育てていく作業こそがHHKBの醍醐味です。初期装備のツン状態から、自分専用にカスタマイズされたデレ状態へ――この過程を経験すると、他のキーボードにはもう戻れなくなります。
💡 ポイント:キーマップは会社PCでも引き継げる
設定したキーマップはオンボードメモリに保存されるため、ソフトをインストールできない会社PCに繋いでも、自分がカスタマイズした配列がそのまま再現されます。一般的なキーボードでこの機能をいち早く搭載したのもHHKBです。
キーマップ変更が趣味レベルのデカエルからすると、「オンボードメモリ機能を使わざるを得ない」と言いたくなるくらい、これは強力な武器です。ホームポジションを崩さずに全操作を完結させたい人は、ぜひCtrlキーの位置なども含めて自分好みに育ててみてください。CapsLockをCtrlに変えるだけでも体感速度はかなり変わります。
詳細なキーマップの組み方については、こちらの記事でデカエル配列を丸ごと公開しているので参考にしてください。
⑤ (番外編)所有欲を満たすカラーと「無刻印」の選択
HHKB Professional HYBRID Type-Sには、現在3つのカラーが用意されています。毎日目にするものなので、自分のテンションが上がる色を選ぶのは非常に重要です。
- 白(クラシック):昔ながらのパソコンを思わせる、少しアイボリーがかったレトロな白。王道であり、エモさがあります。
- 墨(黒):黒いボディに黒のインクで印字されているため、ぱっと見では印字がほとんど見えません。ある程度ブラインドタッチができる人向けですが、「無刻印は怖いけど、印字が目立たないカッコいいキーボードが欲しい」という人に圧倒的に人気です。
- 雪(純白):デカエルが愛用しているカラー。真っ白なボディは、デスク周りを一気に洗練された空間にしてくれます。2年以上使っていますが黄ばみが出たりもありません。
🐸 デカエル的補足:ホコリの目立ち方について
「雪(純白)」を使っていると、黒っぽいホコリが落ちた時に結構目立ちます。逆に、黒いキーボードを使っていた時は白っぽいホコリが目立っていたので、「墨」も同じようにホコリは気になると思います。掃除の頻度やホコリの目立ちにくさを最優先するなら、アイボリー系の「白」が一番無難かもしれません。
また、さらにデザイン面にこだわりたい人は、世界はキーの印字を隠したのだと言わんばかりの「無刻印モデル」という選択肢もあります。「印字なんて飾りです」と言い切れる方は、現行キーボードでトップレベルの美しさを手に入れてみるのも一興です。
無刻印のリアルな使い勝手やタイピングのコツについては、こちらの記事で熱く語っているので興味がある人はどうぞ。
【重要】HHKBは「日本語配列(JIS)」か「英語配列(US)」どっちを買うべき?
デザイン的にスッキリして写真映えするのは英語配列です。ミニマルな見た目に惹かれる人も多いでしょう。ですが普通のサラリーマンが仕事で使うなら、デカエルは圧倒的に日本語配列をおすすめします。
理由は主に3つです。
- 会社PCのセキュリティ設定問題:セキュリティが厳しい会社では個人でPC側のキーボード設定を日本語配列から英語配列に変更できません。設定が食い違ったまま使うと、記号などがキーボードの印字通りに入力されなくなります。無刻印モデルほどではないですが、「印字なんて飾りです」レベルの人でない限り、最初は日本語配列が無難です。
- 変換・無変換キーや方向キーの不在:英語配列には操作効率を左右する変換・無変換キーや独立した方向キーがありません。英語配列版はデカエルからしたら重要キャラが解禁されていない恋愛アドベンチャーみたいなもんです。方向キーはともかく、変換・無変換は絶対要ります。ちなみにHHKBのスペースは小さめ(キー3つ分以下)なのもデカエルはとても気に入っています。スペース、変換・無変換の押し分けで親指を無理に曲げる必要が無いのもありがたいです。
- キーマップ変更の拡張性:上記の違いは通常レイヤーだけでなく、Fnレイヤーの設定などにも影響します。日本語配列のほうがキー数が多いため、カスタマイズできる幅が広がります。動かしやすい親指はスペースキー以外でもしっかり働いてもらいましょう。
🐸 デカエル的補足
「変換・無変換キーはスペースキーでやるから使ってない」という人にこそ試してほしいのが、この2つのキーへのIME オンオフ割り当てです。全角半角キーを押すたびに今どっちのモードか確認する手間がなくなります。設定方法はこちらにまとめています。
HHKBを買う前に知っておくべき「2つのデメリット」
① 試し打ちがしにくい(ほぼ実店舗にない)
値段が値段なので、打鍵感・打鍵音を試したいと思っても、HHKBは基本的に家電量販店には置いていません。公式のタッチ&トライスポットで触れる店舗もありますが、遠方であれば交通費まで考えると悩ましいところです。
もう一つの選択肢は、レンタルサービスです。レンタル自体は約4,000円とそこそこ結構な料金がかかりますが、そのまま購入すれば実質無料になるようです。
と、購入前に試すのも手ですが、個人的には、リセールバリューが高いモデルなので、合わなければメルカリなどで売る前提でAmazonなどで一度買ってしまうのが一番手っ取り早いと思います。デカエル自身、試し打ちなしで購入しました。
② キーマップ変更の自由度はQMK系勢に一歩譲る
QMKをベースにしたVIAやVialなどのキーマップ変更ソフトを搭載しているKeychronや分割キーボードなどは、レイヤー数やモッドタップ、コンボ機能などのカスタマイズ性でHHKBを上回ります。
とはいえHHKBのオンボードメモリ機能も十分実用的なレベルで、困る人はほとんどいないはずです。日本メーカーの中ではカスタマイズ性トップレベルなのは間違いありません。HHKBの設定をこだわり抜いて、それでもまだ物足りないと感じる沼の住人だけがそういったキーボードにも手を伸ばせばいいと思います。
HHKBの力を盛るぜぇ~超盛るぜぇ~。なおすすめアクセサリー&相棒
HHKB本体だけでも十分仕事を捗らせてくれますが、一緒に使うことでさらに真価を発揮するアイテムたちを紹介します。
Nape Pro
手乗りタイガーの最高の相棒。マウス移動や、HHKBに足りないボタンを補ってくれる存在で、これがあれば上位モデルの「Studio」はいらないとすら思っています。控えめに言って神ガジェットです。

パームレスト
HHKBは高さのあるキーボードなので、パームレストはほぼ必須です。デカエルは沈み込まず安定する木製タイプを推奨しています。木の質感と 表面がサラサラなのも気持ちいいです。省スペースを追求するなら分割タイプもアリです。

L字USBケーブル
有線接続時に、ケーブルが筐体からはみ出す部分を減らせて省スペースになります。見た目もスマートでカッコいいですし、飛び出た端子部分を引っ掛けて壊すリスクも防げるので、約1,000円のコストはかけていいと思います。
専用収納ケース
自宅と会社で1台のHHKBを使い回している猛者もいるので、そんな場合はケースがあると安心です。
タイプスティックス(尊師スタイル)
省スペースを極めるためにノートパソコンのキーボードの上にHHKBを置く(尊師スタイル)ためのアクセサリーで、めっちゃ便利で愛用しています。カラーバリエーションもHHKBと同色の3色が揃っています。


ただ少し注意点もあって、ノートパソコンに重ねて置くため放熱性が下がります。それが原因とは言い切れないのですが、デカエルは常時使用してノートパソコンのマザーボードを焼損させた経験があります。それは修理費用めっちゃかかりました・・・
もちろん使用環境やPCの放熱性もかなり左右はされると思うので、誰でも起こるわけではないと思います。アイテム自体はおすすめなので、もし使ってみてPCがかなり熱くなるようなら、会議中や出張中などどうしても省スペースが必要な場面に限定するのがおすすめです。
折り畳みスタンド(番外編)
そんなマザーボードを燃やした経験から、番外編だけどご紹介。ノートパソコンの放熱性を確保しつつ画面位置も高くなって見やすくなる。まさにマザーボード焼損を防ぐためのアイテム。HHKB以外の環境でもあると便利なのでおすすめです。
まとめ
人生が5回あっても、5回とも買いたくなる。それがHHKB(ハッピーハッキングキーボード)というキーボードです。
いい道具は、仕事や人生で転んだときにも、もう一度立ち上がる力を与えてくれます。少なくともデカエルはHHKBにそうやって何度も助けられてきました。
プログラマーの専門機材というイメージに臆する必要はありません。日々キーボードと向き合う仕事をしているすべての「普通のサラリーマン」にとって、HHKBは仕事のモチベーションを底上げしてくれる最強の相棒になり得ます。
手乗りタイガーと一緒に、今日も定時で帰りましょう。





